文芸系の有名どころでは、ジョセフ・ヘラーの『キャッチ』や、マイケルークライトンの作品もあったが、基本的にジェーンが着手したのは、紙の本でいうところの「リプリント」、ひと頃ヒットしたが、今ではもう新鮮味のなさそうな本をEブックとして再生するという、地味なプロジェクトに思われた。本は、刊行されてしばらくすると、「在庫なし重版予定なし」という宙ぶらりんの状態になることがある。読者にとってみれば、どこを探しても本が手に入らない。取次や版元に連絡しても埓が明かない。ひたすら図書館や古書店をあたるしかない、というとても不便な状態だ。著者にとっても、需要が全くないわけではないのに、増刷するには予算が合わないという理由で動いてもらえない。だったら違うフォーマットで出してみるとか、違う出版社なら違う返事がもらえるかもしれないと思っても、まだ契約中なので勝手に版権を動かせない。