二一世紀の重要テーマであるリサイクル社会を実現するには、市民の理解、協力が不可決である。その点、ごみ問題関連のどの調査結果を見ても、頼もしい市民が増えている。前掲の読売新聞の世論調査によると、ごみの分別を面倒だと思わない人が七〇%近くを占め、分別を続けたいという人は八九%にも達している。デポジット制(例えばビールなどの空きびんを販売店に返すと、代金の一部が戻ってくるような仕組み)への賛成は八五%にも上っている。デポジット制は、特定の容器、包装に限らず、電池などにも広げることがリサイクル社会の実現に有効だが、こうした仕組みは圧倒的に多くの支持を得ている。さらに、これまで消費者は分別収集には協力的だが、再生品の使用には今一つ乗り気ではないと批判されてきた。しかし調査では、九〇%以上の人が再生品の購入に理解のある姿勢を見せている。環境先進国ドイツとの比較においても、環境やごみ問題をめぐる日本人の関心や意識は見劣りのするものではなかった。このような人びとの前向きな意識に接すると、むしろ問題は政治・行政のほうにあるといえるかもしれない。その最たるものが、家庭ごみの収集の有料化だ。調査では、有料化賛成(五二%)が、反対(四五%)を上回った。前掲の「労調協」による調査で、家庭から出るごみを減らす目的で普通ごみの処理を有料化することについては、賛成が四八・四%、反対が四四・九%たった。人びとにごみ減量とリサイクルを促すためには、またさらに、ごみ処理荷の負担の公平化を図るためには、回答者の半数近くの住民は、少なくともごみ処理費の一部を税による負担から料金による負担に切り替えるべきだと、発想を転換させているのである。