マンション本来の価値とは?

2011-08-25

マンション本来の価値とは何で決まるのだろうか。私は単純に、一つの箱として見た場合の住み心地、ではないかと思っている。マンションとは、コンクリートで囲まれた一つの箱である。その箱が、次にかかげる三つのポイントを満たしているかどうかで、マンション生活の快適さがまず語られるべきだ。コンクリートで囲まれた箱が、いかに良好な環境を維持しているか。箱にたどり着くまでの道筋、つまりアプローチがいかに魅力的であるか。箱に住む人たちの生活にトラブルが生じないような、管理上の仕組みが追求されているか。この三つのポイントが箱としての、すなわちマンションとしての基本性能である。箱としての基本性能が備わっていないのに、間取りや内装について善し悪しを論じたり、設備の使い勝手について検討してもしかたがない。そんなものは買った人がその気になれば、すべて自分の判断で変更できるものなのだ。だが、箱としての基本性能は、いくら購入者自身が前向きな考えをもっていても、そしていくらカネを持っていたとしても自分勝手に変更はできない。風通しが悪く、年がら年中汚れた空気と湿気が淀むしかないような箱の中身を、ウチのマンションでは防カビ壁紙でくるみましたと堂々と宣伝されてしまうと、ただただ戸惑うばかりである。窓ガラス越しに外部廊下を歩く人の息遣いが伝わって来て、もはやプライバシーなど存在しないようなマスターベッドルームなのに、扉の把手に丸みがあるので安全性が高いんですよ、と強調されても、それ以前の問題でしょうといいたくなる。